DAGな人間関係は人を幸せにするのか

DAGな人間関係は人を幸せにするのか
この記事は ITソルーション室 Advent Calendar 2025 の24日目の記事です。

メリークリスマスイブ!!

みなさん、いかがお過ごしでしょうか?

今年は、(この記事を含めて)アドカレ記事を4つ2つも投稿しました!
全部見てくれましたか?

僕のアドカレ担当日は今日で最後です!
ぜひ最後までお楽しみください!
(予定日に公開できなかった分の記事は後日公開しますので気長にお待ちください…)

さて、クリスマスイブにお送りするのは、人間関係のお話です。
なんとも悪趣味ですね。

「DAGな人間関係は人を幸せにするのか」という視点で検討してみようと思います。

(僕は、クリスマスイブの朝7時からなんて記事を書いているのでしょうか…。)

 

DAGって?

そもそも、DAGとはなんなのか?
きっと、競プロerの皆さんなどはご存じかと思いますので、読み飛ばしてください。

ここからDAGを知らない人のために説明します。

DAGとは「有向非巡回グラフ(Directed acyclic graph)」のことです。

有向で非巡回なグラフのことです!!

さっぱりわかりませんね。
順番に説明していきます。

 

まずグラフとはなんなのか?

グラフと聞いて、円グラフとか棒グラフとかをイメージする方が多いかもしれません。

引用:「令和のクリスマス事情」Gravity(HiClub株式会社)

こういうグラフじゃないです!!

 

ここでいうグラフとは、頂点(ノード)と辺(エッジ)からなるもののことです。
数学のグラフ理論で扱うグラフです。

こういうのです。

 

このグラフを使うと、例えば次のような島と橋を表すことができます。

島と橋

現実の物同士の関係をモデル化できるので便利です。

 

次に、”有向” とはなんなのか?

グラフには有向グラフと無向グラフがあります。

辺に方向があるのが有向グラフで、方向がないのが無向グラフです。

例えば、さっきの島と橋の例で考えてみます。

無向辺は、2つの島同士を行き来できる両側通行の橋に対応します。
一方、有向辺は、ある島からある島に移動できる一方通行の橋に対応します。

ちなみに有向グラフでも、無向グラフを表現できます。
下の図のように、有向辺を2本張れば無向辺と同じ辺を表現できます。

 

 

最後に、”非巡回”とはなんなのか?

非巡回を理解するためには、巡回について理解しましょう。
巡回できるということは、グラフ内に閉路があるということ。

閉路とは、ある頂点vからスタートしてその頂点vに戻ってくるような経路のことです。

 

 

ということで、ここまでの説明で「有向」「非巡回」「グラフ」のすべてが分かったと思います!

DAG(有向非巡回グラフ)とは、
有向辺のみからなるグラフ「有向グラフ」のうち、巡回できない(閉路を持たない)グラフのことです!

有向で非巡回なグラフのことです!!

 

DAGには、トポロジカルソートができる!DPができる!など、嬉しい性質があります。
(ここでは説明を割愛しますのでぜひ調べてみてください!)

 

“人間関係” を定義する

次に、DAGな人間関係について定義します。
今回は、人同士の恋愛関係をグラフで表してみることにします。

頂点と辺を次のように定義します。

頂点(ノード):人間
 辺(エッジ):恋愛的な好意

恋愛的な好意は有向ですので、有向辺で表現します。

なんと、人同士の恋愛関係は有向グラフで表せるんです!
(競プロerなど多くの皆さんにとっては当然かと思いますが…)

 

ここで、今後の議論のためにグラフに条件をつけます。

今回考えるグラフでは、
ある人(自分)から見た時に恋愛において連結な成分をすべて含むこととします。

つまり、例えば

・自分はAさんのことが好き
・AさんはBさんのことが好き

という場合に、
グラフに自分とAさんだけを書くことはせず、AさんとBさんの関係も含めて表すということです。

隠れた恋愛関係がない、というと分かりやすいでしょうか?

 

ここから先、このグラフを用いて人間関係について議論します。
つまり、グラフ理論の話ではなく僕の恋愛観がメインです。

 

DAGな人間関係とは

先ほどのグラフの定義をみて、DAGな人間関係について考えてみましょう。
「おや?」と思った人、正解です。

DAGな人間関係の例を見てみましょう。

なんと悲しいことに。この世界は非巡回です。

ここは両思いが全く成立しない世界。(もちろん両片想いも発生しません)
つまり、恋が成就することはない。

クリスマスイブにこんなことを考えているのだから、やはり悪趣味です。

 

DAGな人間関係は人を幸せにするのか

それではここからが本題です。
「DAGな人間関係が人を幸せにするのか?」

ここから、頂点数N の値ごとに検討していきます。

 

N = 1 の場合

まず、N = 1 の場合です。

ただの丸。この図いらなかったかもな。

非巡回グラフですから、辺を持ちません。

「自分自身に恋をしない状態」とでもいうのでしょうか。

「自分自身に恋をする」というのはあまり聞いたことがありませんから、
この状態は、恋愛に関わりのない人を表しているように感じます。

この状態が一般的に幸せなのか、不幸せなのかは考えが色々とあると思います。
そもそも、恋愛をすること自体が幸せかどうかが人によりますから。

みんな口をそろえて「クリぼっちだよ~泣」と言っていても、その真意は色々でしょう。

好きな人がいて一緒に過ごしたいけど叶わない人。
眩しいカップルたちがうらやましい人。
なんとも思ってないけど、とりあえず言っている人。

 

大きく「幸せ」は検討しようがなさそうなので、
「恋愛上の幸せ」について考えてみることにします。

でも、そもそも N = 1 の場合で「恋愛上の幸せ」を定義できるんでしょうか。

ネットで調べてみたところ、自分自身に恋をする人もいるらしいです。

その人たちからしてみて、
自分自身に恋愛的な好意を寄せられないことは不幸せなことなのでしょうか。
いや、そうではない気がします。

そもそも、僕の恋愛観からすると、
N = 1 の場合に恋愛を定義できるのか…?というところです。

この議論において、N = 1 の場合は特殊ケースであり、
幸せかどうかはよくわかりませんでした。

 

N = 2 の場合

次に、N = 2 の場合です。
頂点数2の非巡回グラフですから、辺は0本か1本です。

辺が0本の場合を見てみると、これは N = 1 のときに検討したものと同じですね。
なのでこれ以降、独立な頂点については考えないことにします。
(つまり、この世界では登場する全員が恋をしています。)

では、独立な頂点を含まないグラフで改めて考えます。

条件を満たすのはこの1通りだけです。

いわゆる片想いの状態。

これが幸せなのか不幸せなのか。
非常に難しい問題です。

仮に、「恋愛上の幸せ」を「好きな相手とお付き合いすること」だとします。

このグラフが表す片想いの状態(相手からの恋愛的な好意がないことが分かっている状態)では、
相手の気持ちを変えなければ(一般的には)お付き合いすることはできません。

片想いの期間は楽しくありながらもなかなかに残酷です。
相手と関われるのは楽しいし嬉しいけど、相手が好意に気づいてくれないと苦しいです。
どんなに頑張っても相手の矢印は、ずっと向かないこともよくあります。

じゃあ、幸せじゃない?

いや、でも待ってください。
ほとんどのカップルは、片想いの状態を一度は経験しているはず。
せーので両想いになってるわけないですよね。

ということは、幸せ?

よくわからなくなってきました。
これも幸せか不幸せかよくわからない。

でも、ここではこの状態を「幸せでない」と結論付けます。

なぜなら、この状態ではお付き合いをしていないから。
「恋愛上の幸せ」を「(好きな相手と)お付き合いすること」としましたからね。

でも、この「幸せでない」の度合いはそこまで高くないと思います。

だって、先ほども言ったように、ほとんどのカップルは片想いの状態を経験しているはずです。

それに、矢印が1本しかないということは、他にライバルがいないということですよね?
(グラフを定義する際に、ある人から見た時に恋愛において連結な成分をすべて含むこととしたので。)

上手くいく未来がまだ残されている。誰かが傷つくことが確定したわけではありません。

 

N = 3 の場合

では、N = 3 の場合はどうでしょうか。

条件を満たすグラフは次の3つが考えられます。

これはいわゆる三角関係というやつです。

この状態に陥ったなら最後。誰かが不幸せになります。
なぜなら、この中には必ず叶わない恋があるから。

1人だけ「幸せでない」状態になることもあれば、
3人全員が「幸せでない」状態になることもありえます。
(ここでの「幸せ」は「恋愛上の幸せ」であり、「好きな相手とお付き合いすること」です。)

まず、[A] の例を考えます。

人1は人2のことが好きだけど、人2は人3のことが好き。
このままでは、誰もお付き合いできることはないでしょう。

この状態は「幸せでない」といえます。

でも、幸せになるルートは残されています。

考えられる最も平和なケースは、
このまま人3が人2のことを好きにならず、人2が人1のことを好きになることです。
そうすれば、人1と人2の両思いが成立します。

結末が平和なケースは他にも考えられます。
人2が人3に告白してうまくいけば、人2と人3は幸せになれます。

でも、この時 人2は少し苦しいのかもしれません。僕だったら苦しいです。

なぜなら、人2は人1を積極的に「幸せでない」状態にさせてしまうから。
僕だったら、これを積極的に傷つけてしまう、と取ります。

人を積極的に傷つけたくないものです。

言葉がものすごく間違っている気がしますが、
「せっかく好きになってくれたのに、返せなくてごめんなさい」のような気持ちになります。

三角関係は、やはり避けなければなりません。

 

次に、 [B] の例を考えます。

人1と人3は人2のことが好きです。

人2が誰ともお付き合いしないのであれば、人1と人3は幸せになれません。

では、人2が誰かとお付き合いするとすれば?

日本では一般に、パートナーは1人につき多くても1人です。(もちろん、0人の場合もあります。)
もし人2がお付き合いする場合、このような社会においては人1と人3のいずれかを選ばなければなりません。

この時に、人1と人3のいずれかが幸せになれなくなります。
また、人2は [A] の例と同じように、いずれかの人を積極的に「幸せでない」状態にしてしまいます。

グラフ理論には次数という言葉があります。頂点に繋がっている辺の本数です。
DAGな三角関係においては、次数が最も多い人(すなわち図中の人2)が最も苦しいのかもしれません。

三角関係であることに気づき、決断を迫られるのはやはり苦しいことでしょう。

 

最後に、 [C] の例を考えます。

人2が人1と人3のことを好きである。

もはや、こんな状態あるのかという感じもします。
恋愛的な好意という意味では存在しないのかもしれませんが、
「恋愛的に好きかも?」くらいの気持ちで矢印が2人に向くことはあるかもしれません。

この状態は、やや自己責任な気もします。
でも、人2にとっては重大な問題です。

ここで気を付けなければならないのは、思わせぶりをしないこと。
2人に思わせぶりな態度を取れば、
上で示した [A] や [B] のような状態に変化してしまうかもしれません。

ちなみに今回の「幸せ」の定義では、
人2は「幸せでない」状態になりますね。

でも、この場合の解決方法は簡単です。
人2が自分の中で悩んで、好きな人を決めればよいだけです。(それも難しいかもしれませんが)

 

ここまで、 N ≦ 3 の場合を検討してきました。

現実世界において、N ≧ 4 の状態は起こりにくいですし、
N ≧ 4 の場合でも N ≦ 3 と同様の検討が繰り広げられるだけですので
この議論はこのあたりで終わりにします。

 

閉路を含む人間関係は人を幸せにするのか

DAGについて考えてみたので、それ以外の場合についても少しだけ考えてみましょうか。

有向で巡回なグラフについて考えます。

「閉路を含まない」ときに幸せでなかったのだから、
「閉路を含む」ときは幸せだろうと思いますか?

そんなこともなさそうです。

確かに N ≦ 2 なら、幸せそうですね。

じゃあ、 N ≧ 3 の時は?

左のようにみんな幸せだといいんですが…
右のように素晴らしい三角関係が出来上がってしまうこともありますね。

現実世界の恋愛と巡回の有無はあまり関係がなさそうです。

 

さいごに

ここまで、グラフ理論を交えながら恋愛における人間関係について議論してきました。

いかがでしたか?

 

分かったのは、やはり1対1の恋愛が一番だということ。
当たり前かもしれませんが大切なことです。

N ≧ 3 の DAG な人間関係は人を幸せにしません。

僕は、N = 3 のときの [A] 人1、[A] 人2、[B] 人2 を経験したことがあります。
それぞれに苦しさがあります。(もちろん、恋愛は楽しいことですが)

三角関係はなるべく避けたい。そうに決まっています。

 

今回の議論では、その人間関係に至る経緯やその後についてはあまり考えず、
その人間関係そのものについて議論してきました。

実際には、経緯も大事な要素に違いありません。

 

そのような関係が生まれてしまうことは、もうそういう運命なのかもしれませんが
それぞれの登場人物が言動に注意することで防げることもあるでしょう。

DAGな人間関係を生み出さないように、気を付けて生活していきたいものです。(自戒)

 

さて、今日はクリスマスイブです。
現在、お昼の12時。

僕は午前中を記事の執筆に溶かしました。
あなたは誰とどうやって過ごしますか?